外壁の塗り替えをする時は、ケレンが非常に重要です。
ケレンとは、塗装の下地処理のことで、より塗料を付着させるために行う処理のことです。
たとえ高圧洗浄をしっかりと行った後でも、ケレンは必須です。
ケレンはきれいにするわけではない

ケレンの目的は、新しい塗料をより密着させることです。
一見、壁をきれいにしているように見えるかもしれませんが、実はまったく違うことをしています。
例えば、鉄部塗装の場合には、サビを落とすとともに、
わざわざ表面に細かいキズを付けたりもします。
鉄部は特に塗料の密着が弱いのでサンドペーパーなどを用いて傷をつけ、密着力を高めるのです。
モルタル壁の場合には、古い塗膜が劣化してしまっている場合にのみですが、
やはり旧塗膜を剥離剤とヘラを使いながらきれいに落とします。
そうしないと、劣化した旧皮膜と一緒に新しい皮膜が剥がれ落ちてしまうのです。
水洗浄・準ケレン・全ケレン
ケレンは、状態に応じて最良の密着状態を作るための下地処理です。
そのため、塗装対象の状態に応じて、どの程度ケレンをするのかが異なります。
劣化がなければ、水洗浄だけで済んでしまうこともあるし、
塗膜のふくれや割れなどがあれば劣化した皮膜だけを取り除くこともあるし、
下地にも腐食やクラックなどが見られれば既存塗膜を全部除去することもあります。
後者を、準ケレン/全ケレンと区別したり、鉄部なら1種~4種のグレードに分けたりしています。